素晴らしき世界
第18章 What is the most stupid thing?
「いててっ……」
腰を押さえながら教室に入る。
「じいさんかよ」
「うっさいな……」
椅子に逆座りした潤が、
ゆっくり椅子に腰を下ろす俺を見上げる。
「何か、進展あった?」
朝から凄い目力を放つ瞳で見つめられると
すべてを見透かされている気がした。
相葉くんを好きなことを潤は知っている。
潤の洞察力は侮れない。
体調が悪かった時も、すぐに気がついた。
俺の気持ちがバレたのも納得がいく。
「あったけど……終わったの」
「はぁ?よくわかんないだけど……」
「もう、この話は終わり。
ほら、前向けよっ!」
グッと潤の身体を押した。
昨日あったことを話したって、
何かが変わる訳じゃない。
未来のない話をしたって虚しいだけ。
でもこの痛みのある間だけは
思い出に浸らせて?
痛みが消えたら、元の友達に戻る。
恋人になれなくったってそばにいれる。
これが俺にとって最善の方法。
俺はこのまま
立ち止まったままかもしれない。
でも相葉くんには
明るい未来に向かって歩き出して欲しい。
その姿が俺の幸せに繋がるから……
「おっ、噂をすれば……」
潤が俺の方を振り返るとニヤニヤしながら
教室の入り口を指差した。
そこには相葉くんが立っていた。
いつものキラキラした笑顔はなく、
昨日最後に見た顔と同じだった。
そして俺を手招きする。
行きたくないけど、無視するわけにもいかず
重い足取りで相葉くんの元へ向かった。
廊下では明るい雰囲気が
あちらこちらに散らばっている。
昨日の朝までは俺たちも同じだったのに、
今はピリっとした空気が漂う。
「なに?どうしたの?」
でも俺は気づかないフリをして、
いつも通り……それ以上に明るく振る舞う。
「別れたから……彼女と」
女だったら嬉しいセリフだけど、
男の俺にとっては悲しすぎる言葉だった。
自惚れるつもりはないけど、
俺と付き合うために別れたんだよね?
彼女と付き合っていた……
全うな道を進んでいた
相葉くんの未来を俺が邪魔している。
相葉くんの為にも
そばにいちゃいけないんだ……
腰を押さえながら教室に入る。
「じいさんかよ」
「うっさいな……」
椅子に逆座りした潤が、
ゆっくり椅子に腰を下ろす俺を見上げる。
「何か、進展あった?」
朝から凄い目力を放つ瞳で見つめられると
すべてを見透かされている気がした。
相葉くんを好きなことを潤は知っている。
潤の洞察力は侮れない。
体調が悪かった時も、すぐに気がついた。
俺の気持ちがバレたのも納得がいく。
「あったけど……終わったの」
「はぁ?よくわかんないだけど……」
「もう、この話は終わり。
ほら、前向けよっ!」
グッと潤の身体を押した。
昨日あったことを話したって、
何かが変わる訳じゃない。
未来のない話をしたって虚しいだけ。
でもこの痛みのある間だけは
思い出に浸らせて?
痛みが消えたら、元の友達に戻る。
恋人になれなくったってそばにいれる。
これが俺にとって最善の方法。
俺はこのまま
立ち止まったままかもしれない。
でも相葉くんには
明るい未来に向かって歩き出して欲しい。
その姿が俺の幸せに繋がるから……
「おっ、噂をすれば……」
潤が俺の方を振り返るとニヤニヤしながら
教室の入り口を指差した。
そこには相葉くんが立っていた。
いつものキラキラした笑顔はなく、
昨日最後に見た顔と同じだった。
そして俺を手招きする。
行きたくないけど、無視するわけにもいかず
重い足取りで相葉くんの元へ向かった。
廊下では明るい雰囲気が
あちらこちらに散らばっている。
昨日の朝までは俺たちも同じだったのに、
今はピリっとした空気が漂う。
「なに?どうしたの?」
でも俺は気づかないフリをして、
いつも通り……それ以上に明るく振る舞う。
「別れたから……彼女と」
女だったら嬉しいセリフだけど、
男の俺にとっては悲しすぎる言葉だった。
自惚れるつもりはないけど、
俺と付き合うために別れたんだよね?
彼女と付き合っていた……
全うな道を進んでいた
相葉くんの未来を俺が邪魔している。
相葉くんの為にも
そばにいちゃいけないんだ……