素晴らしき世界
第3章 愛したい?愛されたい?
タクシーを降りると、
見覚えのあるマンションを見上げていた。
相「ボーッとしてないで行くよ!」
相葉さんに手を引かれエントランスに入る。
部屋番号を押し、チャイムを鳴らすと
「開けるから入って!」
スピーカーから聞こえたのは
自宅主とは違う声。
考える暇もなく自動ドアが開き、
相葉さんとエレベーターに乗り
部屋に向かう。
インターフォンを押すと
ガチャっと鍵の音が聞こえてドアが開いた。
ドアから顔を覗かせたのは、
自宅主ではなくJだった。
松「雅紀、ありがとう」
相「潤の頼みだからね」
Jは相葉さんの髪を撫でた。
なぜ俺は、2人のラブラブぶりを
玄関で見てるんだろう。
でも、正直なところ羨ましかった。
お互い素直に気持ちを
言葉で伝えてるんだなって……
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか
Jが俺の頭をポンと軽く叩き
松「ちゃんと自分の気持ち伝えろよ」
「……うん」
松「じゃあ、帰ろっか」
相「うん。ニノ、頑張れ」
2人は寄り添いながら出ていった。
俺はドアを開けて帰る2人に
『ありがとう』と言ったら、
2人は俺を見てニッコリ笑って手を振った。
ドアが閉まる音が部屋に響く。
でも、俺は玄関から動けないでいた。
きっと、自宅主はソファーに座っているが
ここからは見えない。
リビングから流れる
テレビの音が微かに聞こえるだけ。
素直になろうと決めたものの、
一歩がどうしても踏み出せない。
すると、テレビの音が聞こえなくなった。
そして、遠くから足音が聞こえ、
俺の大好きな人がゆっくりと歩いてきた。
やっと姿を見れるのに、
俺は直視出来ず下を向いた。
怒ってる?呆れてる?
俺の事、嫌いになってたらどうしよう……
足音が大きくなるのに比例して
不安が増幅していく。
帰りたい……
でも、ここで逃げちゃダメだ。
俯いている視線の先に
大好きな人の足が見えた。
目の前に立っている……
顔を上げなきゃ……
大「ニノ」
大好きな人が俺の名前を呼んだ。
俺はゆっくりと顔を上げた。
いつもと同じように
フニャッとした笑顔だった。
そして、俺の顔にスラッとした指が
伸びてきて、目尻を拭った。
見覚えのあるマンションを見上げていた。
相「ボーッとしてないで行くよ!」
相葉さんに手を引かれエントランスに入る。
部屋番号を押し、チャイムを鳴らすと
「開けるから入って!」
スピーカーから聞こえたのは
自宅主とは違う声。
考える暇もなく自動ドアが開き、
相葉さんとエレベーターに乗り
部屋に向かう。
インターフォンを押すと
ガチャっと鍵の音が聞こえてドアが開いた。
ドアから顔を覗かせたのは、
自宅主ではなくJだった。
松「雅紀、ありがとう」
相「潤の頼みだからね」
Jは相葉さんの髪を撫でた。
なぜ俺は、2人のラブラブぶりを
玄関で見てるんだろう。
でも、正直なところ羨ましかった。
お互い素直に気持ちを
言葉で伝えてるんだなって……
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか
Jが俺の頭をポンと軽く叩き
松「ちゃんと自分の気持ち伝えろよ」
「……うん」
松「じゃあ、帰ろっか」
相「うん。ニノ、頑張れ」
2人は寄り添いながら出ていった。
俺はドアを開けて帰る2人に
『ありがとう』と言ったら、
2人は俺を見てニッコリ笑って手を振った。
ドアが閉まる音が部屋に響く。
でも、俺は玄関から動けないでいた。
きっと、自宅主はソファーに座っているが
ここからは見えない。
リビングから流れる
テレビの音が微かに聞こえるだけ。
素直になろうと決めたものの、
一歩がどうしても踏み出せない。
すると、テレビの音が聞こえなくなった。
そして、遠くから足音が聞こえ、
俺の大好きな人がゆっくりと歩いてきた。
やっと姿を見れるのに、
俺は直視出来ず下を向いた。
怒ってる?呆れてる?
俺の事、嫌いになってたらどうしよう……
足音が大きくなるのに比例して
不安が増幅していく。
帰りたい……
でも、ここで逃げちゃダメだ。
俯いている視線の先に
大好きな人の足が見えた。
目の前に立っている……
顔を上げなきゃ……
大「ニノ」
大好きな人が俺の名前を呼んだ。
俺はゆっくりと顔を上げた。
いつもと同じように
フニャッとした笑顔だった。
そして、俺の顔にスラッとした指が
伸びてきて、目尻を拭った。