テキストサイズ

素晴らしき世界

第3章 愛したい?愛されたい?

相「せっかく付き合えたのに
もうケンカしてるの?」

呆れ顔でグラスを手に取りお酒を口に流す。

「俺悪くないもん」

相「で、ケンカの原因は何?」

「それは……」

俺はグラスに残ったお酒を一気に飲んだ。

「……相葉さんは何で、抱かれる側なの?」

相葉さんが、
口に含んでいたお酒を吹き出した。

相「ゴホッ、何なの……いきなり」

「だって聞けるの相葉さんしかいなくて」

相葉さんとJは付き合っていて、
たぶん相葉さんは抱かれる側だ。

相「もし、抱いてる側だったらどうする?」

「えっ?そうなの?」

相「いやっ、抱かれてます……
って俺のことはいいの!話を続けて」

「やっぱり付き合ったら、
そういうことしたいって思うじゃん!
でも、俺もリーダーを抱きたい。
リーダーも俺を抱きたいって……」

相「何で、ニノはリーダーを抱きたいの?」

「だって、痛いの嫌だもん」

相「はい?子どもかよ……」

「子どもじゃないよ!
告白されてから『好き』ってリーダー
言ってくれなくて……淋しいんだよね。
本当に俺のこと好きなのかなって、
不安になる。でも、キスしたりすると
俺のこと好きなんだって実感できる。
きっと、ひとつになれたらこの不安も
解消されるのかなって……」

相葉さんが溜め息をついた。

相「なら、答え決まってない?」

「えっ?」

相「俺が抱かれる側なのは自然の流れ。
潤が抱かれるってイメージないし……」

「そうだね」

相「おい!どういう意味だよ」

「ごめんごめん」

相「最初は痛くないって言ったら嘘になる。
けど、愛されてるって実感する。
これって抱かれる側しか感じることが
出来ないと思うよ」

「そうなんだ……」

相「ニノはさぁ、
愛したいの?愛されたいの?」

「俺は……」

その時、相葉さんのスマホが着信を告げた。

相「もしもし……うん、こっちも大丈夫。
……わかった。あとでね」

話終わると、伝票を持って

相「ニノ、ちょっと付き合って」

早足で会計に向かった。

俺も帰り支度をし、
レジに向かうと相葉さんの姿はなく、
出口に向かって歩いていたら扉が開いた。

相「タクシー捕まえたから乗って」

相葉さんに促されタクシーに乗り込む。

「ねぇ、どこいくの?」

相「着いたらわかるよ」

相葉さんはニッコリと微笑んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ