素晴らしき世界
第23章 未来の向こう側
「和、こっち向いて?」
抱きしめていた腕がほとがれ、
自由になる身体。
俺はゆっくりと振り返る。
「渡したいものがあるんだ。
ちょっと待っててくれる?」
そう言うと潤は寝室へと向い、
右手を後ろに隠しながら戻ってきた。
「これ……」
すっと隠していた右手を
俺の前に差し出した。
掌にはジュエリーケース。
「えっ?」
パカッと開けるとそこには2つの指輪。
「昔は色々と傷つけてゴメン。
俺、ちゃんと謝ってなかった」
さっきまで潜めていた、
力強い眼差して俺を見つめる。
「俺の事……許してくれる?
そしてこれからもずっとそばに居たい」
どうしてだろう……
潤の顔がぼやけて見える。
目を擦っても擦っても変わらない。
擦った指がどんどん濡れていく。
「目が赤くなるから」
俺の手を掴むと、
潤の綺麗な指が目を優しく拭う。
「返事、聞かせて?」
その手が俺の頬を包んだ。
「許す……許すけど……
ずっとそばに居て欲しい…っ」
「ありがとう、和」
にっこり笑うと、その顔が近づき
唇と唇が重なった。
持っていたジュエリーケースを
植木鉢の横に置き、指輪を取り出す。
そして優しく俺の左手の薬指に指輪を嵌める。
俺は残った指輪を取り出し、
潤の左手の薬指に指輪を嵌めた。
「順番はおかしいけど、
ちゃんとしたいから……」
ふーっと潤が大きく深呼吸した。
「二宮和也が好きです。
俺と付き合ってください」
初めて言われた『好き』と言う言葉。
今までその表現は『許さない』だった。
売り言葉に買い言葉で始まった俺たち。
俺たちの複雑すぎる愛情表現。
それも、今日で終わり。
「はい。俺も松本潤が大好きです」
俺は潤の胸に思いっきり飛び込んだ。
「愛してるよ……和」
痛いくらいの力で俺を抱きしめる。
「俺も……愛してる」
俺もギュッと抱きしめた。
やっと花言葉を、
潤に伝えることが出来たよ?
ありがとう。
今日、ようやく俺たちは
正真正銘の恋人になった。
毎年、ネモフィラの花が咲く時に
この日の事を思い出すだろう。
潤に抱きしめられながら……
【end】
抱きしめていた腕がほとがれ、
自由になる身体。
俺はゆっくりと振り返る。
「渡したいものがあるんだ。
ちょっと待っててくれる?」
そう言うと潤は寝室へと向い、
右手を後ろに隠しながら戻ってきた。
「これ……」
すっと隠していた右手を
俺の前に差し出した。
掌にはジュエリーケース。
「えっ?」
パカッと開けるとそこには2つの指輪。
「昔は色々と傷つけてゴメン。
俺、ちゃんと謝ってなかった」
さっきまで潜めていた、
力強い眼差して俺を見つめる。
「俺の事……許してくれる?
そしてこれからもずっとそばに居たい」
どうしてだろう……
潤の顔がぼやけて見える。
目を擦っても擦っても変わらない。
擦った指がどんどん濡れていく。
「目が赤くなるから」
俺の手を掴むと、
潤の綺麗な指が目を優しく拭う。
「返事、聞かせて?」
その手が俺の頬を包んだ。
「許す……許すけど……
ずっとそばに居て欲しい…っ」
「ありがとう、和」
にっこり笑うと、その顔が近づき
唇と唇が重なった。
持っていたジュエリーケースを
植木鉢の横に置き、指輪を取り出す。
そして優しく俺の左手の薬指に指輪を嵌める。
俺は残った指輪を取り出し、
潤の左手の薬指に指輪を嵌めた。
「順番はおかしいけど、
ちゃんとしたいから……」
ふーっと潤が大きく深呼吸した。
「二宮和也が好きです。
俺と付き合ってください」
初めて言われた『好き』と言う言葉。
今までその表現は『許さない』だった。
売り言葉に買い言葉で始まった俺たち。
俺たちの複雑すぎる愛情表現。
それも、今日で終わり。
「はい。俺も松本潤が大好きです」
俺は潤の胸に思いっきり飛び込んだ。
「愛してるよ……和」
痛いくらいの力で俺を抱きしめる。
「俺も……愛してる」
俺もギュッと抱きしめた。
やっと花言葉を、
潤に伝えることが出来たよ?
ありがとう。
今日、ようやく俺たちは
正真正銘の恋人になった。
毎年、ネモフィラの花が咲く時に
この日の事を思い出すだろう。
潤に抱きしめられながら……
【end】