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素晴らしき世界

第27章  勝手に挑戦、受けて立つ【交流戦第二試合】

気持ちよかった唇はすぐに離れた。

「どう?好きでしょ?」

可愛い口調なのに
挑発する様に俺を見つめる淫靡な瞳。


ヤバい、ゾクゾクが止まらない。


「そんな短かったらわからないよ」

もっと違う松本が見たくて
挑発を挑発で返した。

「じゃあ……これは?」

再び唇が重なった。

はむっと俺の上唇や下唇を啄んだり、
舌でペロッと可愛く舐めてくる。


挑発するくせに……

可愛いキスしやがって。


俺の中での何かが沸き上がってくる。


「口……開けろよ」

唇が離れた瞬間、至近距離で囁いた。

いつもと違う口調に、
うっとりとした瞳を俺に向ける。


堪んない……


うっすらと開いた唇を確認すると
後頭部に手を回してグッと引き寄せた。

するりと舌を口内に入れると、
松本の熱い舌を絡め取った。

「んっ……ぁっ、んふっ」

漏れる吐息と水音が厭らしく部屋に響く。

苦しくて松本が唇を離すけど、
お構いなしに再び引き寄せ
貪るように口内を堪能しまくる。


ヤバい、気持ちよすぎる……


名残惜しいがゆっくりと唇を離すと、
潤んだ瞳から涙が溢れ俺の頬に落ちた。


「どうした?」

まだ水分が残る目尻を指で拭う。

「気持ち……よすぎる」

顔の横で突っ張っていた腕の力が抜け、
俺の身体の上に倒れ込んできた。


松本の早い心臓の鼓動と
俺の早い心臓の鼓動が互いの布越し伝わる。


そして反応している松本のモノと
俺のモノも布越しに触れ合う。



煽ったのはお前だからな……



「なぁ、松本……」

耳元で囁いたが反応はない。

「松本?」

俺の耳に届いたのは返事じゃなくて、
規則正しい寝息だった。


マジかよ……


脱力感と同時に一気に身体の重みを感じた。


でもまぁ……いっか。


酒に酔って疲れただろうし、
ゆっくり寝かせてやるか。

ギュッと抱き締めて体勢を横にした。

「ふふっ……」

寝てるのに幸せそうに笑いやがって。


マジで、可愛いな。

額にキスを落として俺も目を閉じる。



でも、起きたら覚悟しろよ?



延長できるくらいの金は……あるからな?



今度は別の意味で疲れさせてやる。


【end】

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