素晴らしき世界
第29章 夢か幻か
「ただいまぁ」
パチンと電気をつけ、
誰もいない部屋に向かって叫ぶ。
ん?ツッコミが入らない。
『煩いなぁ』とか『相変わらず元気だねぇ』って
後ろから溜め息交じりに聞こえるのに……
声だけじゃない。
靴を脱いでいる動作音さえ聞こえない。
「ニノ、どう……うわっ!」
後ろを振り返ろうとしたら背中に衝撃受け、
ふらついた足を踏ん張って何とか耐えた。
「えっ、ナニナニ?ニノ、どうしたの?」
ギュッと俺のお腹に
手を回してしがみつくニノ。
「もしかして貧血?ちょっと大丈夫?」
俺の心配は的中。
ライブのリハーサルに加え
映画の番宣で忙しいから、
体調を崩す条件は整っている。
どんな時でもゲームを優先するから、
絶対に寝不足に違いない。
だから俺の家に連れて来たんだ。
ちゃんとご飯を食べて寝てもらうために……
「…………ぅぶ」
言葉を聞き取れない程の細い声に、
ますます心配が募る。
「ちょっと離して?取りあえずベッドで……」
俺の腹にしがみついているニノの手を
引き剥がそうと触れた。
「大丈夫だってば!」
「はっ、はい!」
いきなり怒鳴られた俺は
反射的に背筋を伸ばし大きな返事をした。
って、何で俺が怒られてるの!
心配しただけなのにおかしくない?
ニノが急に抱きつく……
えっ?えっ?えっ?
大丈夫……なんだよね?
目線を下に向けると、未だに俺の
お腹にしがみつく可愛い手が見える。
体調不良じゃないなら……
この状況はニノ自ら
行動したって事……だよね?
そう気づいた途端に、
背中から伝わるニノの体温を感じ取る。
えっ?ちょっ、ちょっと待って!
何がどうなってるの?
ニノの予想だにしなかった行動に、
頭の中は完全にパニック。
「相葉……さん」
そんな中でもちゃんと耳に届くニノの声。
けどいつもと違う声色と、
お腹に回していた手に一層の力が入り、
俺の心臓の鼓動は速さを増した。
パチンと電気をつけ、
誰もいない部屋に向かって叫ぶ。
ん?ツッコミが入らない。
『煩いなぁ』とか『相変わらず元気だねぇ』って
後ろから溜め息交じりに聞こえるのに……
声だけじゃない。
靴を脱いでいる動作音さえ聞こえない。
「ニノ、どう……うわっ!」
後ろを振り返ろうとしたら背中に衝撃受け、
ふらついた足を踏ん張って何とか耐えた。
「えっ、ナニナニ?ニノ、どうしたの?」
ギュッと俺のお腹に
手を回してしがみつくニノ。
「もしかして貧血?ちょっと大丈夫?」
俺の心配は的中。
ライブのリハーサルに加え
映画の番宣で忙しいから、
体調を崩す条件は整っている。
どんな時でもゲームを優先するから、
絶対に寝不足に違いない。
だから俺の家に連れて来たんだ。
ちゃんとご飯を食べて寝てもらうために……
「…………ぅぶ」
言葉を聞き取れない程の細い声に、
ますます心配が募る。
「ちょっと離して?取りあえずベッドで……」
俺の腹にしがみついているニノの手を
引き剥がそうと触れた。
「大丈夫だってば!」
「はっ、はい!」
いきなり怒鳴られた俺は
反射的に背筋を伸ばし大きな返事をした。
って、何で俺が怒られてるの!
心配しただけなのにおかしくない?
ニノが急に抱きつく……
えっ?えっ?えっ?
大丈夫……なんだよね?
目線を下に向けると、未だに俺の
お腹にしがみつく可愛い手が見える。
体調不良じゃないなら……
この状況はニノ自ら
行動したって事……だよね?
そう気づいた途端に、
背中から伝わるニノの体温を感じ取る。
えっ?ちょっ、ちょっと待って!
何がどうなってるの?
ニノの予想だにしなかった行動に、
頭の中は完全にパニック。
「相葉……さん」
そんな中でもちゃんと耳に届くニノの声。
けどいつもと違う声色と、
お腹に回していた手に一層の力が入り、
俺の心臓の鼓動は速さを増した。