素晴らしき世界
第5章 家族ゲーム
「潤、ちょっと来て」
洗面所で髪型をセットしていると
母さんに呼ばれた。
「ちょっと待って、もうすぐ終わるから」
急いで髪を仕上げる。
「よし、これでOK」
俺はリビングに向かう。
「母さん、なに?」
「あのね……」
勿体ぶっているのか
次の言葉が出てこない。
「もう、何なの?
話ないなら、学校行くよ」
「実はね、会ってほしい人がいるの」
ついにこの時が来た……
「は?だれに?」
「それは会ったときに紹介するから」
「会わなきゃダメ?」
「当たり前でしょ」
「彼氏だったりして」
知ってるよ、
母さんに彼氏がいること……
「将来を考えている人」
嬉しそうに言う母さんの顔を見て
どす黒い何かが俺を覆いそうになる。
「で、いつ?」
必死に冷静を装った。
「今度の日曜日、空けておいてね」
「わかった。じゃあ、いってくる」
「いってらっしゃい」
玄関を出て、扉がしまった瞬間
喜びを抑えきれず、
小さくガッツポーズした。
もうすぐ、好きな人と家族になれる……
洗面所で髪型をセットしていると
母さんに呼ばれた。
「ちょっと待って、もうすぐ終わるから」
急いで髪を仕上げる。
「よし、これでOK」
俺はリビングに向かう。
「母さん、なに?」
「あのね……」
勿体ぶっているのか
次の言葉が出てこない。
「もう、何なの?
話ないなら、学校行くよ」
「実はね、会ってほしい人がいるの」
ついにこの時が来た……
「は?だれに?」
「それは会ったときに紹介するから」
「会わなきゃダメ?」
「当たり前でしょ」
「彼氏だったりして」
知ってるよ、
母さんに彼氏がいること……
「将来を考えている人」
嬉しそうに言う母さんの顔を見て
どす黒い何かが俺を覆いそうになる。
「で、いつ?」
必死に冷静を装った。
「今度の日曜日、空けておいてね」
「わかった。じゃあ、いってくる」
「いってらっしゃい」
玄関を出て、扉がしまった瞬間
喜びを抑えきれず、
小さくガッツポーズした。
もうすぐ、好きな人と家族になれる……