テキストサイズ

素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

【カウントダウン前】


ーー1ヶ月前


コンコン…


「はーい」

誰かが楽屋に訪ねてくると、
いつも決まって翔ちゃんが返事をする。


何か仕事に関わることをしていると、
ノックの音に俺と松潤は気づかない。

リーダーは寝てる事が多いから気づかないし、
そもそも訪ね人に興味がない。

ニノはイヤホンつけてゲームしてるから
ノックの音が聞こえてない。

翔ちゃんは何かをしていても
常にアンテナを張っているので
周囲の音にもしっかり反応する。


だから対応は翔ちゃんに頼りきってる。


「お久しぶり……って、
相変わらず自由に過ごしてるわね」

聞こえてきた声に、
グッスポの資料から目線を上に向けた。

「珍しいですね。現場に来るなんて」

松潤がパタンとノートパソコンを閉じた。

「智くん、起きて」

「んー、なに?もう収録?」

翔ちゃんが寝ているリーダーの身体を揺らすと
目を擦りながら起き上がった。


俺もニノに声をかけようと目線を向けたら、
ゲームを止めてイヤホンを外している最中。


珍しいな、ニノが手を止めるなんて……


「で、今日は何の報告ですか?」

翔ちゃんは少しだけ背筋を伸ばすと、
俺たちもきちんと座り直した。


まぁこの人が来たら、手は止めるよな。


いつも現場には顔を出さない、
嵐の総括マネージャー。


名前……何だっけ?

確か、珍しい名前だった気が……


失礼な話だけど、
会う機会があるのは1年に1回程度。

会わない年だってある。


けど、裏では嵐のために……

特に大きな仕事に関わってくれている。


で、こうやって訪ねて来る時は
大きな仕事の報告のため。



一体、何の仕事なんだろう?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ