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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間

俺のいい訳……じゃない!


だってそもそも俺は浮気してない。

必死に弁明する俺の事を
ニノは笑いながら聞いてくれた。


ちゃんとニノもわかってた。

あの女性が俺とは何の関係のない事を。


最後にちゃんと教えてくれた。

ニノも俺の家に来た時に
その女性とすれ違った事がある事、
そして女性の彼氏も見た事がある事も。


完全にからかわれてたんだけど、
笑ってくれるならそれでいい……のか?

でも、いつものニノって感じだからいっか。


そんな風に思う俺って……やっぱりМなのか?


ガチャ…


なかなか伸ばせなかった手は、
気持ちがかわるとすんなりとドアを開けた。

「お帰りー。すっかりラブラブじゃん」

翔ちゃんがからかう様に俺たちを迎え入れる。

「相葉ちゃん、ニノ」

リーダーが俺たちを呼ぶと、目線を松潤に向けた。

俺たちには目もくれず、いつもの様に
パソコンでライブ映像をチェックしてる。

「松潤、ありがとう」

「ん、別に……」

言葉少ないリアクションで、
深くハットを被ってるから表情は見えない。


でも、真っ赤になった耳が丸見えだ。


言葉はストレートだけど、
素直じゃないのは松潤も同じなんだよな。



「もうっ、つれないな!」

俺は駆け寄ると後ろから抱きついた。

「なんだよ!ウザいから止めろって!」

腕を振り解こうとするけど離してやんないもん。


「みんなっ!」

珍しく声を荒げたニノに一斉に目線が向いた。


「色々、ありが…と」

語尾が段々と小さくなったけど、
ちゃんと自分の気持ちを言葉で伝えた。

「うわっ、ニノが感謝した」

「なっ、何だよ!その言い方」

「明日は雪かな?」


いつもの楽屋。

いつもの俺たち。


それを松潤と笑って見てた。



みんな……本当にありがとう。

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