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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間


2人がいなくなった空間は静かになった。


ちゃんと話をしなきゃ……


心の中で今日何度目かの
気合を入れてスーッと息を吸い込んだ。


「「あの…っ」」

2人の声も見つめる目線も見事に重なった。

「「ぷはっ」」

今度は2人の笑い声が重なった。


ニノの笑顔を見たのいつぶりだろう。

俺が笑顔になったのはいつぶりだろう。


「ごめんね?
俺、ちゃんとニノの事……見てなかった」

俺の言葉にニノはブンブンと
首が取れちゃいそうなくらいに横に振った。

「俺もごめんなさい。でも……言えなかった」

膝に置いていた手をグッと握りながら
絞り出すようにニノが話を続ける。

「あの時の相葉さんの不安な気持ちとか
傷づいたこと思い出してほしくなかった。
だって俺、やっぱり笑ってる相葉さんに
そばにいて欲しかったから……」

自分の辛い気持ちを抑えてまでも、
そばにいて欲しいと願ってくれたニノ。


でも俺は、その願いを叶えてはいなかった。


「今からでも……いい?」

「えっ?」

「ちゃんと……笑顔で、ニノのそばにいる」

宣言なんてしなくても、
ちゃんとニノと向き合えれば
自然と笑顔になれる。


だって俺は、ニノが大好きだから……


でもちゃんと目を見て言葉で伝えたい。


「うん。俺もちゃんと……気持ち伝えるから」

ニノもちゃんと目を見て、
言葉で伝えてくれた。


「全部、受け止めるから吐き出してね」

あとは俺が全力で支えるだけ。

「じゃあ早速……」


よし、ドーンと来い!


「この、浮気者ぉぉぉぉぉぉぉ!」

可愛いニノの手が俺の頭に鉄槌を下した。


えぇぇぇぇぇぇ!

そっちなのぉぉぉぉぉぉ!

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