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素晴らしき世界

第30章 僕らの48日間






















「優勝は……白組です!」

去年聞きたかった言葉がステージに響く。


やった!

勝ったよ!

白組、優勝したよ!


たくさん聞こえる拍手や
『おめでとう』の言葉に
背中を押されるように歩を進める。

すると俺の前にリーダーの姿がスッと表れた。

「こらっ、何やってんの!」

「止めなさい」

優勝旗を受け取ろうとしたリーダーを
翔さんとJが止めて連行されていった。

その姿を振り返って見ると、
相葉さんの姿が目に入った。


誰よりも大きな拍手で……

誰よりも大きな声で『おめでとう』って
何度も何度も叫んでる。


このあとカウントダウンがあるのに、
声が出なくなったらどうすんの?


でも、嬉しいよ。

本当にありがとう。


相葉さんがそばにいてくれたから……

相葉さんがずっと笑顔でいてくれたから……


俺……頑張れたんだよ。


今にも泣きそうな相葉さんと
目が合った瞬間、俺は手招きした。

えっ?えっ?とメンバーを見て
戸惑っていたけどみんなが
相葉さんの背中を思いっきり押した。

ふらつきながら俺の隣に来た。

「いいの?」

俺の耳元で不安そうに囁いた。

「じゃなきゃ、呼ばないよ」


もう、泣き虫なんだから……


目から落ちそうな涙を必死に堪えてる。

俺は去年のように笑って見せた。


「優勝、おめでとう」

2人で優勝旗を受けとると、上に高く掲げた。

「ニノ、優勝……おめでとう」

「あたりまえですよ」

「ふふっ、そうだね」


今はメンバーとしてだけど……

全部終わったら、
恋人として出迎えてね?


【END】

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