素晴らしき世界
第39章 愛と浮気のチョコレートケーキ
食事が一段落した俺はトイレに立った。
トイレを終えてドアを開けると、照明が消えて辺りが真っ暗だった。
『おーい、早く来いよー』
松にぃに呼ばれで暗がりの中、リビングへと戻ると昨日見た小さな明かり。
『『『『『お誕生日おめでとう』』』』』
お祝いの言葉が響いた。
「あ…ありがとうございます」
お礼を伝え、ロウソクの火を消した。
パチン…
照明がつくと、和也がケーキを持ってキッチンへと戻る。
あれっ?
ケーキ……
和也が人数分のケーキを切り分けて持ってきた時、さっきと同じ違和感が浮かぶ。
お皿に乗るのは、イチゴの生クリームケーキ。
当たり前だけど、みんなは何の疑問もなく食べ進める。
『これ、うまっ!』
潤が唸り声をあげ驚く。
『櫻井さんパティシエで……作ってきてくれたんです』
えっ?
櫻井さん?
誕生日ケーキがあるのを知ってるのに……
『お口に合って良かったです』
嬉しそうに笑う櫻井さん。
俺の疑問は解決しないまま、みんなのお皿はすぐに空になった。
『そろそろお開きにすっか!』
松にぃの言葉でみんなが立ち上がった。
『今日はありがとうございました』
俺も立ち上がってみんなに頭を下げた。
『じゃあな。さて……お前らは暇だろ?1軒、付き合えよ』
一緒に部屋を出る相葉くんと潤を松にぃが捉えた。
『『はいっ』』
元気のいい返事と裏腹に項垂れる2人の背中を見送った。
『今日はありがとうございました』
後ろで聞こえた和也の声。
俺の横を櫻井さんと岡田さんがすり抜けた。
「あ、あの……すみませんでした」
一応、筋は通したいから謝った。
『いいえ、気にしないで下さい。ケーキ……2人で食べてくださいね』
ニッコリと笑うと岡田さんと一緒に部屋を出た。
『俺が頼んだんです』
横に立つ和也が呟いた。
『ケーキを持ってきて欲しいって』
「えっ?」
『あれは智に食べて欲しくて作ったから……』
前を見つめたままの和也。
「ありがとう」
和也をギュッと抱きしめる。
「食べてもいい?」
『はい』
「和也を」
『へっ?』
俺は素早く和也をお姫様抱っこした。
そしてどんなケーキより甘い、和也を堪能した。
素敵な誕生日をありがとう……和也。
【end】
トイレを終えてドアを開けると、照明が消えて辺りが真っ暗だった。
『おーい、早く来いよー』
松にぃに呼ばれで暗がりの中、リビングへと戻ると昨日見た小さな明かり。
『『『『『お誕生日おめでとう』』』』』
お祝いの言葉が響いた。
「あ…ありがとうございます」
お礼を伝え、ロウソクの火を消した。
パチン…
照明がつくと、和也がケーキを持ってキッチンへと戻る。
あれっ?
ケーキ……
和也が人数分のケーキを切り分けて持ってきた時、さっきと同じ違和感が浮かぶ。
お皿に乗るのは、イチゴの生クリームケーキ。
当たり前だけど、みんなは何の疑問もなく食べ進める。
『これ、うまっ!』
潤が唸り声をあげ驚く。
『櫻井さんパティシエで……作ってきてくれたんです』
えっ?
櫻井さん?
誕生日ケーキがあるのを知ってるのに……
『お口に合って良かったです』
嬉しそうに笑う櫻井さん。
俺の疑問は解決しないまま、みんなのお皿はすぐに空になった。
『そろそろお開きにすっか!』
松にぃの言葉でみんなが立ち上がった。
『今日はありがとうございました』
俺も立ち上がってみんなに頭を下げた。
『じゃあな。さて……お前らは暇だろ?1軒、付き合えよ』
一緒に部屋を出る相葉くんと潤を松にぃが捉えた。
『『はいっ』』
元気のいい返事と裏腹に項垂れる2人の背中を見送った。
『今日はありがとうございました』
後ろで聞こえた和也の声。
俺の横を櫻井さんと岡田さんがすり抜けた。
「あ、あの……すみませんでした」
一応、筋は通したいから謝った。
『いいえ、気にしないで下さい。ケーキ……2人で食べてくださいね』
ニッコリと笑うと岡田さんと一緒に部屋を出た。
『俺が頼んだんです』
横に立つ和也が呟いた。
『ケーキを持ってきて欲しいって』
「えっ?」
『あれは智に食べて欲しくて作ったから……』
前を見つめたままの和也。
「ありがとう」
和也をギュッと抱きしめる。
「食べてもいい?」
『はい』
「和也を」
『へっ?』
俺は素早く和也をお姫様抱っこした。
そしてどんなケーキより甘い、和也を堪能した。
素敵な誕生日をありがとう……和也。
【end】