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素晴らしき世界

第40章 一年で一番可愛い日

8月11日

去年から俺にとって特別な日になった。


『山の日』

山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日


でも俺たちのファンの中では違う。

俺と大野さんの日らしい。

『嵐』という漢字を上と下に分け、年上コンビの俺と大野さんが『山』で、年下トリオの相葉くんとニノと松潤で『風っこ』


ホント、ファンの子はよく考えてるよね。


取材でも山の日が近づくと、自然と大野さんとのコンビの取材も増えるし、嵐で取材してても2ショットが多い。

インタビューの中でもそれは話題にあがる。

『どこか2人で出かけたりするんですか?』って冗談交じりで聞いてくるので、
『どこ行こっか~?』なんて大野さんと見つめ合ってふざける取りも増える。

ZEROでも勿論、ラルフさんがその話題を振ってくる。

『櫻井さんと大野さんの日』だなんて言うから『違いますよ』と笑いながら答えただけなのに、『翔くん照れてる』とファンに呟かれる。

それだけ俺の一挙手一投足を見てるれるのは本当に有難い事。


けどね?

同じように俺の事を見てる人がいるの。


でもファンの皆と違うのは、山の日が近づくと拗ねちゃうの。

大野さんとの絡みや、山の日の話題がネットに溢れるとどんどん落ち込んじゃうの。


でも決して口には決して出さない。



ホント、素直じゃないだから……


でもそれが可愛かったりするけどね?



明日は山の日当日。



去年はあっさりと当日を迎え、そして過ぎ去っていった。


俺は大野さんじゃなく、恋人の和也と過ごす。


たまたま休みが重なった。


当日をどうやって迎えるんだろう?


そして録画しているあの番組を一緒に見たら、和也はどうな反応をするのかな?


きっとあの人が『山の日』に触れないわけがないからね?

そんな楽しみを胸に秘めつつ、残りの仕事をこなしていった。

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