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オムツン

第15章 十五枚目

「おい…おいっ!大丈夫か?ぼけっとして」

会社の上司に声を掛けられた。

「あ…あ、はい」

「頼むぞ、もうちょっとしたら、例の契約とりにいくからな。準備しといてくれよ」

「はい、わかりました」

例の契約…私が勤めている会社は地方のしぎない中小企業だが、上司は全国区で各方面にグループ会社を持つ大企業と内々で契約を結ぼうとしていた。

私はなぜかこのやり手の上司に気に入られて、補佐的な仕事を任されていた。

…仕事が忙しくなるかもしれないな。

そう思うと、あの店に行っておかなければならない気がした。

実際にあったことなのか、それとも私は性的ノイローゼともいえる妄想をしていたのか。

確かめる必要がある。

そう思った。


私は、その日の就業後、あの店に一人向かった。


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