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オムツン

第25章 二十五枚目

コウスケさんが正座をして頭を下げた。

私も同じようにする。

「どうか、私共の会社を買って下さい!」

…驚いた。

そこまで馬鹿正直に言っていいのだろうか。

「頭を上げてください。何をどれだけとお考えですか?」

年配が尋ねる。

「…全部…!」

コウスケさんが苦しそうに答える。

「全部…ですか。念のために言いますが…それは欲張っているかもしれませんよ?」

年配は落ち着いている。

それもそうだ。

相手は私達の会社を潰すことなど簡単なのだ。

「それは…わかっています。ただ私共を生かさなければ後悔することになるはずです」

コウスケさんが食い下がる。

私は資料を取り出して、拡げる。

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