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オムツン

第29章 二十九枚目

そこは山麓の洋館だった。

庭園は手入れが行き届き、遠くの峰が借景を担って、美しい風景を見せてくれる。

私とカズ君は、店の完成祝い、という名目で、キョウコちゃんとママに招待された。

私はカズ君の運転する車で、夕方、この洋館に到着したのだ。

「でかい…」

「…ああ」

それが私達の感想だった。

洋館は比較的、新しくて、白壁にアーチを施し、屋根はオレンジで古風な面があるものの、近代的なコンクリートと大きな窓の造りも取り入れられている。

門から玄関までも遠かったが、なんとかたどり着いた私達をキョウコちゃんとママは温かく出迎えてくれた。

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