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オムツン

第29章 二十九枚目

「いらっしゃい」

「よく来てくれたわね、ゆっくりしていってね」

案内され、吹き抜けのエントランスを抜けて、いくつかの部屋の前を通った。

整備された中庭には白樺が植わっていた。

いったい何部屋あるのか…。

何十畳もあろうかという広いリビングに通され、ソファーに腰をおろす。

奥にはカウンターキッチンが見える。

「パーティーをするときに使っているのよ」

キョウコちゃんが説明するが、異次元に感じてピンとこない。

「あの店だけでそんなに儲かってるのか?」

私は隣に座ったカズ君にこっそり聞いてみる。

「いやぁ…こんなには…」

カズ君は首を傾げて苦笑いだ。

どういう訳だかわからないが、キョウコちゃんとママは勝手知ったる台所、といった調子で、グラスを並べたり、巨大な冷蔵庫から飲み物やつまみを取り出している。









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