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カミカゼ短編集

第1章 「翔くん。絵、見に来る?」     …O×S

無言のまま舌と指の愛撫は続く

胸の突起を潰すように転がされると

「ん、…ック……」

そこから痺れが全身に広がって快感の記憶を呼び覚ます

そうなると吐息ばかり漏れて

指の腹で胸筋をなぞられるだけでもうダメで

早く場所を変えて欲しくなるけど…


ホントは言い出しにくいんだ

それも『いつもの事』

何だか欲しがってるようで躊躇してしまう


智くんはどうなんだよ

俺が何も言わなきゃ、このまま立ったままスるの?

ホントはそうしたいの?

このまま言わないでいたら…

どうなるんだろう



そんな事をボンヤリ考えていたら

胸を嬲っていた手が股間に伸びてきて

「ちょ…っ」

思わず腰を引いてしまった


「ここでスんの…?」


ああ…、言っちゃった

また俺から…


智くんは、いつものように少し笑って

「じゃあ、こっち」

俺の手を引いて寝室に向かった




ベッドの上で智くんはサッサと全裸になる

俺が恥ずかしさでモタモタしてると

俺の衣服を剥ぎ取ろうと手を出してくる

「いいって。自分で…」

「だって遅せーんだもん」

「勝手だなっ」


そこにはムードも何も無くて

裸になった途端、ケンカみたいに組み伏せられて

それでも

頭がボーっとするほど深いキスをして

「…翔くん…」

ウットリするような声で呼ばれて胸に吸い付かれれば

まるで気持ちまで重なったように感じてしまう


気持ちなんて

確かめ合った事もないのに…




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