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アクアリウムに恋をして

第1章 アクアリウムに恋をして

 彩り鮮やかな金魚たち。色々な水槽に入っていて、その中を自由に泳ぐ、たくさんの種類の金魚。赤、青、紫、光の色が変わりゆく。

 大阪の百貨店で開催されているアートアクアリウム展。連日、人で賑わう人気の展示。そこに連日、一人の少女の姿があった。

 少女は、黒髪におさげで眼鏡。典型的な地味な女の子。クラスでは、目立たなく発言もしない。

 もうすぐ暖かくなろうかという二月も末。夢も何もなかった少女は、適当に選んだ私立高校への入学も決まり、期末テストも終わっている。特にやらなければ
いけないことがあるわけではない。

 少女の両親はいつも仕事で帰りが遅く、テーブルには千円札。少女は、いつもそのお金でこの会場に来ていた。

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