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声の魔法3

第1章 あれから1年

あまりにもビックリして思考が停止した。





落ち着いて考える。
が、モヤモヤする。ドキドキする。イライラする。


「今の何?…ムカつく…」声に出てたようだ。通行人が振り向いて私の顔をみていてた。


聡の声が聞きたい…
そう思う気持ちとは裏腹に恐怖が襲ってくる。


もう嫌われてしまったのかも…と不安になる。



その時、着信が…
聡だった。


「めぐみ?ごめん、着信に気付かなかった。どうした?」


「ん…元気かなって。」

「頑張ってるよ。なかなか厳しいけどね。めぐみは?」

「元気だよ。」
(会いたいよ)

「今から事務所に行ってくるよ。まだまだ駆け出しだからマネージャーさんに売り込んでくる。」

「そう、頑張って。」

「おう!」


「聡君、早く行こうよ〜。」
スマホの向こうから、そんな甘えたような声が聞こえてくる。


(会いたい)
そう言いたいのを堪え、
「頑張って…。また連絡して…」


そう言うのがやっとだった。


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