声の魔法3
第1章 あれから1年
〜聡side〜
「聡君、さっき携帯鳴ってたよ。」
「本当?」
スマホを探るが着信はない。履歴を見るとめぐみからだった。
「悪い、ちょっと電話。」
そうみんなに断り、めぐみにかける。
「めぐみ?ごめん、着信に気付かなかった。どうした?」
「ん…元気かなって。」
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仕事で何かあったかな?
元気なかったような気がした。
そんな俺の背後から
「聡、彼女か?」
同期の圭介の声が聞こえた。
「友達でしょ。」
朱里が答える。
朱里も同期のひとりだ。
「今が大事な時なんだから、余計なこと考えない。さあ、事務所へ行くよ。」
朱里の言葉に俺と圭介は苦笑いするのだった。