箱……録
第3章 宝箱の鍵
「―――…そうだね…
何か気になってきたし…」
私は、レトロな鍵を手に取り…
小旅行気分で身支度をすませた――――…
記憶の隅っこにしかない…幼少を過ごした…小さな町…
ほとんど覚えていない…
町――――…
父と二人で…貧しいながらも…
楽しく暮らした町――…
母がいなくても……
悲しく無かった町―――…
「何か…ドキドキする…」
「モッちゃんは……本当に可愛いね…」
後藤は、私の隣で優しく微笑む…
彼女は……昔からこんな感じだったかな?
昔から…女の子が好きだったのかな?