箱……録
第3章 宝箱の鍵
「もしかして…サッちゃんに渡したとか?
ほら、二人の宝箱だったような気がするし!」
すると、後藤は少し考えて――――…
「いや……
受け取ってませんね―――…
私は、モッちゃんが引っ越した事を知らなかったくらいでしたから…」
「―――――…え…そうなの?」
宝箱を共有するくらい仲が良かったの…
何も告げないで…
引っ越し…だなんて………
「―――…なんか…ごめんね?何で…何も告げなかったんだろ…」
二人で…鍵を見つめる―――…
宝箱は…確実にあるはずなのに…
どこにやってしまったのか…
今の私には……
まったく思い出せない…
「ねぇ…モッちゃん…
地元に行ってみません?
今日休みだし…何か思い出すかもしれないよ?」