箱……録
第3章 宝箱の鍵
「…青島のお婆ちゃんですね――――…
家…行ってみますか?」
「そう、青島のお婆ちゃん!!
当時92歳だったんだ…
もう、亡くなってるよね?」
後藤は、青島のお婆ちゃんの家に行くのか…T字路を右に曲がった――――…
「私が5才になる前に亡くなりましたよ?
資産家のお婆ちゃんだったみたいで…亡くなった後相続で、もめたらしいですよ?」
品のあるお婆ちゃんだったのを思い出す…
「そう言えば…いつも綺麗な着物着てたもんね――…」
後藤は、笑いながら…道を進んでいく―――――…
「ここ―――――…
もう、屋敷とか取り壊されて…な〜にも無くなってるけど…
ここが玄関だったよ――…」
後藤の目の前には…広い空き地があるだけで――――…
玄関だった場所――――…と、言われても…ピンと来ないのが本音だった…