箱……録
第3章 宝箱の鍵
私は、鍵を握りしめて……
青島のお婆ちゃんを思い出す…
「お婆ちゃん……いつもボーッと…庭を見てたね…」
後藤は、玄関があった場所に足を踏み入れる
「ばぁちゃん!久しぶりにお邪魔するよ〜!!
サクとモッちゃん遊びに来たよ〜〜〜〜!!」
後藤は、まるで当時の私たちがそうやって家に遊びにきたかの様に振る舞う―――…
いや――――――…
“サクとモッちゃんが遊びに来たよ”
これは、青島のお婆ちゃんにお邪魔する時の決まり文句だったのを……
今――――…思い出す…
「サっちゃん…すごいね…よく覚えてたね―――…」
後藤は、照れるような笑ってみせた