
Sinful thread
第2章 喪心
「さっき襲うなって言ったの、お前だろ」
「うん……」
「……何言ってるかわかってんの?」
……ほんとに、何言ってるんだろう。
おかしいよね。
わかってる。
わかってるけど……。
「俺、ほんとに手出すつもりなかったんだけど」
奏多がそう言いながら、上半身を起こす。
「俺だって男だぞ。希美の方からそう言われたら、どうなるかわかる?」
奏多の手が、あたしの髪に触れる。
優しく撫でるようなその動きに、僅かに鼓動が高鳴るのを感じる。
あたしがゆっくりと頷くと、頭を撫でていた奏多の手があたしの胸元へと降りていった。
同時に首元に奏多の顔が近づき、熱い舌があたしの首筋をなぞる。
……唇に触れようとはしない。
これは、奏多の優しさなんだろうか……。
「……んっ」
服の上から胸の膨らみを刺激され、思わず声が漏れる。
