
Sinful thread
第3章 愛欲
こんなにも幸福感に溢れた夜が、二度と来ないのなら……
もういっそのこと、葵とこのまま一生繋がっていたい。
明日なんか、来なくていい───。
そんな強い願いとは裏腹に、あたしの身体は徐々に限界へ近づいていく。
「……っあぁ!んぁ……あおいっ」
「希美……っ」
もうあたしには、余裕なんか微塵もない。
身体中を突き抜ける快感で、飛んでしまいそうな意識の中で、必死に葵の首に腕を回す。
「……ダ、ダメっ……イきそ……っっ」
……ほんとはまだ終わって欲しくない。
でも、身体は言うことを聞いてはくれない。
幸せな時間は、決して長くは続かない。
「……はぁっ……俺も……やば……」
切なげに声を出した葵の腕が、あたしを強く抱き締める。
