
Sinful thread
第3章 愛欲
「希美、ほんとに、後悔しない?」
「……もう、遅いよ……」
そう言ってフッと笑う。
ここまで来たらもう、しない方が絶対に後悔する。
これ以上焦らさないで。
……早く、葵が欲しい。
「希美。今だけは、なにも考えんな。俺だけを感じて」
低く艶のある声でそう呟きながら、葵が腰を落とし、あたしの中に少しずつ沈めていく。
……そんなの、あたしの台詞だよ。
お願いだから……今夜だけは彼女のことも、あたしたちの関係も全部忘れて、あたしだけを見て欲しい。
「はぁっ……ん……あぁぁっ!」
そう思った瞬間に、激しく律動が加えられ、仰け反ってしまうくらいに身体が反応する。
葵の姿を焼き付けておこうと見上げたあたしの目に、愛おしむようにあたしを見る葵の瞳が映る。
……どうして?
今夜で最後だって言ったのは葵なのに……。
なんで、そんな目で見つめるの?
