
Sinful thread
第4章 追想
『……っあぁ!んぁ……あおいっ』
俺の腕の中で、俺の名前を呼ぶ希美が、本気で愛おしいと思った。
ほんとダメだ……俺。
もう自分を制御することができない。
……これを、セックスと呼んでいいのかわからない。
ほんとに同じ行為なのかと思うくらい、今までのどの行為とも全く違う。
こんな時間……
終わって欲しいわけがない。
綺麗に忘れられるわけもない。
『……ダ、ダメっ……イキそ……っっ』
『……はぁっ……俺も……やば……』
想いとは裏腹に、近づいてくる快楽の限界。
希美の一層の締め付けを感じ、俺は勢い良く欲を吐き出した。
『……希美……』
全てが終わり、希美の頭を軽く撫でると、疲れたのか希美は寝息を立てて眠っていた。
……希美、ごめんな。
やっぱり俺、お前に忘れて欲しくなんかない……。
裸のまま眠る希美の胸元に、そっと顔を近づける。
柔らかなその胸元に、一つ、赤い跡を付けた。
今夜の出来事が残るように。
……俺ができる限りの、精一杯の爪跡。
