
Sinful thread
第6章 色情
「あー……」
……飯、か。
今日も、どうせ希美は帰ってこない。
最近は芽依とも会社で顔を合わせる以外、特に外で会うこともなかったし。
……たまにはいいか。
「……うん、いいよ」
俺はそう言って芽依の誘いに乗った。
「やったー!楽しみー!」
なんでそんな嬉しそうな顔するんだよ……。
芽依の笑顔を見て、胸にチクッと痛みが走る。
俺は芽依の彼氏なのに、彼氏らしいことを何一つしてやれてない。
好きとか言ったこともない。
そんな俺に、芽依は文句の一つも言わない。
……なんで、芽依はこんな俺と付き合ってるんだろう。
俺なんて、完全に彼氏としては失格なのに。
「そろそろ戻るか……」
「そうだね」
昼休みも、もうすぐ終わる。
浮かんだ疑問を飲み込み、俺は屋上を後にした。
