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55歳で会社を退職し、アルバイトをしながら勉強を始めた祥子は、58歳で自分の店を開き、半年足らずで経営を軌道に乗せ、充実した毎日を送っていた。

そして、還暦を迎えた祥子60歳の誕生日。

神社で厳かに行われる結婚式…そこには白無垢に身を包み、羽織袴姿の島崎の隣に立つ祥子がいた。
ホテルに移動しての披露宴では、一般的な白いウェディングドレスではなく、あざやかな赤色のカクテルドレスで登場した祥子。

その姿は、とても還暦を迎えた女性とは思えなかった。まるで少女のような可憐さと、大人の色香を兼ね備えた、妖艶な美女がそこにいた。