刑事とBG
第2章 刑事とBG~後編~
ゆうひの顔をしっかり見てみると、目が赤くなっていた。
「ゆうひ…、何かあったのか…?」
顔に触れようとすると、祐司がその手を掴んだ。
「っ!!?
てめぇ何す…」
「泣かせたのはあなたですよ」
「はあ?」
斉藤は祐司と向き合った。
「んだと…? もっぺん言ってみやがれ」
「ゆうひさんを泣かせたのはあなたです。
それ以外にゆうひさんが泣く理由が見当たりますか?」
『祐司さんっ…いいですから…』
ゆうひは祐司の腕を引っ張った。
「何があったかまでは知りませんが、もう少し自分の言動には気をつけてください」
「何が言いてぇんだてめぇ!!」
『斉藤!!』
ゆうひに怒鳴られ、斉藤は思わず口を閉じた。
『祐司さんに…あたんないで』
そう言うと、ゆうひは廊下を走って行った。
「ゆうひ…」
斉藤は祐司を一瞥し、ゆうひのあとを追い掛けた。