刑事とBG
第2章 刑事とBG~後編~
泣きじゃくるゆうひを、祐司は黙って優しく抱きしめる。
「俺のことは気にせず、思いっきり泣いてください」
『……ふっ…うぅ…』
ゆうひは祐司の胸の中で泣いた。
──数分後。
ゆうひの涙は全て出尽くしたようだ。
「大丈夫、ですか?」
祐司は優しく問いかける。
『だ、大丈夫ですっ…、すいません///』
ゆうひは急に恥ずかしくなって、祐司から離れた。
『あっ、祐司さんの服汚れちゃった…』
「これくらい平気ですよ」
祐司は優しく微笑んだ。
ドキッ
ゆうひの胸が高鳴る。
「涙の理由は、彼ですか?」
(彼…? 斉藤のこと…?)
『…あ、はい…』
「彼のことが好きなんですね」
『…はい///』
「彼は今どこに…」
祐司がそう言いかけたとき、背後からバタバタと足音が聞こえてきた。
「ゆうひ!!」
『…斉藤…』
斉藤は急いでゆうひのもとへ駆け寄った。
「部屋にいなかったから、どこに行ったかと…心配させんじゃねぇよ」
安堵の表情を見せる斉藤に、ゆうひは複雑な思いを抱いた。
「ってか、何でてめぇがいんだ?」
と、祐司に突っ掛かる斉藤を止めるように、
『…はい』
斉藤の前にグッと財布を突き出す。
「あ…オレの…?」
『…うん』
どこか投げやりなゆうひの言葉に、斉藤は少し気にかかった。
「…どうしたんだよ?」
『…』