刑事とBG
第2章 刑事とBG~後編~
「朝になれば自衛隊の方も動いてくるでしょうし」
「よし、じゃあアイツ呼んでくる」
そう言って護が斉藤を呼びにいった。
すぐに斉藤は無愛想な表情で部屋に入ってきた。
「勝手に探偵ごっこやってんじゃねぇよ」
「すみません、少し気になったので」
先程の件で未だ機嫌の悪い斉藤は、圭吾の隣に立っている祐司をギラリと睨んだ。
その視線に気づいて、祐司も真っすぐに斉藤を見据える。
(気に入らねぇ…!!)
「…またですか。2人とも落ち着いてください」
張り詰めた空気を察知して、圭吾が二人の間に割って入る。
「…で、何か出てきたのか?」
斉藤は圭吾に振り返った。
圭吾は薬が入っていた袋を斉藤に見せる。
「ベッドの下に落ちてました」
「これは…」
「鑑識に調べてもらいたいんです。あと、団蔵様に持病があったのかも調べてください。持病の薬と偽り飲ませた可能性もあります」
「…わかった」
斉藤は懐から携帯電話を取り出した。
「あー中島さん?…」
斉藤が話している間、祐司は周りを見渡した。
あるものを見つけ、ベッドに近づく。
「圭吾先輩、これ見てください」
シーツにわずかな茶色のシミが付いていた。
匂いをかぐと、微かにウィスキーの香りがした。
「団蔵様が飲んだのか、それとも誰かと飲んだのか…」
「ああ、わかった、んじゃ」
斉藤は電話を切った。