刑事とBG
第2章 刑事とBG~後編~
「天候の状況次第で、ヘリで来てくれるらしい」
斉藤は圭吾に伝えた。
「んじゃ、オレは聞き込みすっから…」
そう言って歩き出そうとするのを、
「待ってください」
祐司が止めた。
「ぁあ!?(またお前かよ)」
「ベッドのシーツに、ウィスキーのシミがあります。団蔵様が飲んだのか、それとも誰かとここで飲んだのか、それについても聞き込みしてもらえますか?」
祐司は真っすぐな瞳で、斉藤を見た。
(こいつに指図されんのは腹立つけど…)
「…わかった」
斉藤はぶっきらぼうに答えた。
――――
『…』
ゆうひは一階のトイレの手洗い場の前で固まっていた。
鏡に映った自分を眺める。
まださっきの斉藤のことが頭から離れないのだ。
(…団蔵さんの後妻の…沙也加って人と、何してたの…?
斉藤は何であたしが泣いていたのか聞いてきたけど…
自覚、ないのかなぁ…)
しかしここで、もっとも会いたくない人物に出くわした。
「あら、あなたは…」
『…』
沙也加だった。