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刑事とBG

第1章 刑事とBG~前編~



―――――――――――


「着きましたよ」


車から颯爽と、スーツ姿の男3人が現れた。


「でけぇな~」


目の前に広がる屋敷を見上げて、白石護は重いため息をつく。


「護先輩、行きますよ」


そんな護を横目に、村上祐司は歩き始める。


「俺は車を置いてくるから、まずは屋敷内の確認を頼む」


メガネをクイッと上げて、朝比奈圭吾は運転席に乗り込んだ。


彼らはボディーガードだ。


今日は屋敷で誕生パーティーがあるとのことで、警備の依頼を承ったのだ。


「ボディーガードの方々ですね、お待ちしておりました」


広い玄関を通ると、屋敷の人間が出迎えてくれた。


「本日はよろしくお願いします」


祐司と護は会釈する。


屋敷内に入ると、まず正面に螺旋階段があった。


「俺は2階、祐司は1階を頼む」


二手に分かれることにした。



パーティー会場になる広い洋間にはいくつもの丸いテーブルが並んでおり、すでに食器が置かれていた。

天井には高価なシャンデリア、壁には有名画家の絵、その他にも豪華な品々が品よく配置されている。



祐司は部屋の隅々を見て回った。
一応防犯カメラはいくつか設置されているが、死角になりそうな部分はないか確認する。

パーティーが始まったら、一瞬でも気は抜けない。


(今のうちに一本吸っとくか…)



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