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刑事とBG

第1章 刑事とBG~前編~



―――――――――――


「でっけぇ屋敷だなー」


たまげたもんだ、と斉藤は屋敷を見上げた。


『あたしも初めて!!
あ~どんなご馳走が出るのかなぁ』

「おめぇ…そろそろ気ぃつけねぇとブクブクに…っていってぇ!!
何で叩くんだよ!?」

『斉藤はいつも一言多いっつの!!
デリカシーゼロ男!!』

「うっせぇよ!!」


口喧嘩をしながら屋敷に入った。
1番最初に目に入ったのは、豪華な装飾が施された螺旋階段。


『す、すごい///』

「…どこの国だ、ここは…?」


次に目に入ったのは、螺旋階段の手前に設置された受付場所だった。


「ようこそお越しくださいました。お名前をこちらにご記入ください」


係の人にペンを渡され、ゆうひは紙に自分と斉藤の名前を書いた。


「…」


すると斉藤は、受付の隣に一人の男が立っていることに気づいた。

身なりはスーツ、そして細身の割りにしっかりした体格…祐司だった。


(…ボディーガードか…?)


その時、斉藤は祐司と目が合った。


『よし、書けた』


ゆうひは名前を記入し終え、斉藤の方を振り向く。
しかし斉藤の目線がある一点を見ていたので、ゆうひも一緒にそっちに目をやった。


(…あ、男前発見…///
でも何か、斉藤とあの人睨み合ってる…?)


すると斉藤が口を開いた。


「何か付いてます?」


祐司はそれを冷静に返す。


「いえ…失礼しました」

「…」


(斉藤…口調は丁寧語だけど、絶対苛立ってるな…)


『ご、ごめんなさい』


ゆうひは祐司に軽く頭を下げ、斉藤の背中を押して、急いでパーティー会場へ入った。



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