刑事とBG
第2章 刑事とBG~後編~
「あー!! 先輩、思い出しましたよ!!」
突然シゲが、バシバシと斉藤の腕を叩いた。
「いてーな!!
調子乗んじゃねぇ!!」
「す、すいません…
それで先輩、あのメガネさんを思い出したんすよ!!
確か前、総理大臣のSPやってて。僕、よくニュースで見てたんすよ!!」
「総理大臣の?」
興奮しているシゲをよそに、斉藤は圭吾をちらりと見た。
(…何から何まで、文句の付けようがねぇ奴だとは思ってたけど…
結構大物だったとはな…)
――――――――
「よ、お疲れさん」
屋敷の外でタバコを吸っている祐司の隣に、斉藤は腰を下ろした。
「お疲れ様です」
一応事件は解決…
聡や芳子、そして団蔵の相手をした女は警察署の方へ送られた。
屋敷の警備という任務も終わったので、祐司は一人、一服をしていたのだ。
「吸います?」
「いいや、オレは吸わねぇ」
「…意外ですね」
「どういう意味だてめぇ」
斉藤が祐司を睨み、目が合うと、お互い微笑した。
「ボディーガードも、なかなかなもんだよな」
「お互い様ですよ」
祐司は吸い終わると、吸殻を携帯灰皿にしまった。
「そろそろ行きます」
「おう、んじゃオレも帰っかな」
斉藤も立ち上がった。
「お元気で」
「おめぇも、死ぬんじゃねぇぞ」
2人は背を向け、反対の方向へ歩き出す。