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旅は続くよ

第15章 それでもキミの為に

S「そんな事…、頼むからそんな悲しい事言ってくれるなよ」

ニノの瞳が今にも泣きそうな位、

不安に濡れているように見えた


S「価値が無い、なんてさ…
そりゃ俺の勝手な想いかもしんないけど、
これでも俺、お前の事好きなんだぜ?
俺だけじゃない。雅紀だって…」

N「…でも……」

S「俺、…お前の事本気で好きだ。
それなりに結構悩んだ結果だから、気まぐれや勘違いなんかじゃないんだよ」

俺の想いは成就しなくても

お前の自信になるならいい

好かれてるんだ

それぐらいには価値があるんだ

そんな小さな自信になれば…

S「…だけどさ、これで恩を売ろうとか思ってないから。
単純に、村尾さんに会って欲しいだけなんだ」


自分でも支離滅裂に結構な事を言ってると思う

普段なら絶対しない大胆発言だよ

でも、これでも必死なんだ

俺にはこれ位の事しかしてやれないけど

些細な事でもしないで後悔するのは嫌なんだ


N「…ん。わかった…」

ニノは照れたような困ったような顔をして頷いた


N「会うだけね…。それでもいい?」

S「勿論だよ。…ありがとな」

N「…変な翔ちゃん。お礼を言うのは俺じゃないの?」

いいんだよ、とニノの頭をグシャグシャに撫でた

頭崩れるよ、と文句を言いながら

やっとニノがいつもの笑顔を見せた


少しずつでいい

どうかわかって

お前は愛されるべき人

蹲ってるその場所から

どうか自分の道を歩いて…


その笑顔の為なら、俺はどんな努力も厭わないよ




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