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旅は続くよ

第15章 それでもキミの為に

A「変わんないよ、何にも」

N「…嘘」

A「ホントに。昔も今も友達だろ?
ただ俺が好きなだけ。それだって前と変わんないだろ?」

N「…でも……」

A「『でも』何だよ。好きになってくれんの?」

そう言ってみると、ニノは気持ちがいいくらい首を横に振った

A「くふふっ、お前な~。もう少し遠慮して首振れよ」

おどけて見せると、やっとニノが少しだけ笑ってくれた


A「もう寝よ?」

半身ずらしてスペース開けて

A「来いよ。友達だろ?」

布団を上げて誘えば

ニノは暫らく躊躇いがちに佇んでたけど

N「…なんか釈然としないんだけど」

ブツクサ言いながらベッドに潜り込んで来た


フワリと細い体を布団で包んで

一緒の温もりの中


N「…変な事しないでよ…?」

A「くふふっ、何それ。期待してんの?」

N「アホ。するかよ」

A「ホントに~~?」

N「…蹴るぞコノヤロ」


こんな風に笑い合えるだけで、今は十分

友達でいいんだ

一緒に笑顔でいたいんだ


だから、ついつい悪ノリしちゃって

A「ちゅーぐらいしとく?」

N「するか。目ぇつぶんな。口尖らすな。タコかっ」

A「やーだー、ニノちゃん。本気にした~?」

N「もう~!お前、自分の部屋帰れよっ」

いつもの調子でふざけ合う


ねえ、これならいいでしょ?

こん位ならニノの負担にならない?

好きだよ

笑ってくれるなら、このままでもいいよ


胸の奥のザワつきを忘れたフリをして

ニノとじゃれ合って眠りについた




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