旅は続くよ
第16章 八方塞
Mside
ある日、夜遅くなって帰宅すると
A「おかえり~」
まー兄が珍しくリビングでテレビを見てた
M「…ただいま。まだ寝てなかったの?」
A「潤を待ってたんだよ」
M「どうしたの?何かあった?」
A「だって…最近全然喋れてないじゃん」
拗ねたような口振りに眩暈がした
避けてたんだよ
まー兄には分かんないだろうけどさ
だからって、この人は…
『喋れてない』って可愛く拗ねて
こんな遅くまで帰りを待って
一大決心してアンタを避けてた俺の努力を簡単に揺らがせるんだから…!
A「取り敢えず、ココ。座って?」
まー兄が嬉しそうに、自分の座ってるコタツの斜め前をポンポン叩く
少し戸惑いながら、それでもまー兄に逆らえない俺は
仕方なくそこに座った
A「お茶淹れるね。紅茶でいい?」
M「…うん」
コタツの上に用意してあったティーサーバーにお湯が注がれる
カップの中に紅く染まった液体が満たされていく
M「…このコタツ、電気入ってないね」
A「うん。随分あったかくなって来たから。
あ、寒い?点けようか?」
M「ううん、いい」
A「そう?まあ、お茶飲めば体もあったまるから。
はい、どうぞ」
差し出されたカップからはハーブの香りが立ち昇ってて
1口飲むと、温かさと一緒に
まー兄の優しさが喉を通った
M「…美味しい」
A「そう?良かった!」
嬉しそうに
本当に嬉しそうに、まー兄が笑う
その笑顔1つで、また俺はこの人を好きになって
そして…苦しくなるんだ
知ってるんだよ
偶然聞いてしまったんだ
さと兄と翔兄がボソボソ話してる内容から
まー兄がニノに告白したって事
自分で思ってたよりずっと驚かなかった
想像してたよりずっと絶望したけど
そうか
いよいよ、この時が来たんだ
まー兄が本当に好きな人と結ばれて
俺が要らなくなる時が来たんだって…
さと兄達の話の断片を繋ぎ合わせると
まー兄は一旦フラれたらしいけど
そんなのは時間の問題に決まってる
どうせニノは直ぐに気づく
まー兄がどんなに素敵な人か
自分がどんなに素晴らしい人に愛されてるか
どんなに勿体無い事をしたのか
気づかない訳がないんだよ
そして…
まー兄の想いは叶うんだ…
ある日、夜遅くなって帰宅すると
A「おかえり~」
まー兄が珍しくリビングでテレビを見てた
M「…ただいま。まだ寝てなかったの?」
A「潤を待ってたんだよ」
M「どうしたの?何かあった?」
A「だって…最近全然喋れてないじゃん」
拗ねたような口振りに眩暈がした
避けてたんだよ
まー兄には分かんないだろうけどさ
だからって、この人は…
『喋れてない』って可愛く拗ねて
こんな遅くまで帰りを待って
一大決心してアンタを避けてた俺の努力を簡単に揺らがせるんだから…!
A「取り敢えず、ココ。座って?」
まー兄が嬉しそうに、自分の座ってるコタツの斜め前をポンポン叩く
少し戸惑いながら、それでもまー兄に逆らえない俺は
仕方なくそこに座った
A「お茶淹れるね。紅茶でいい?」
M「…うん」
コタツの上に用意してあったティーサーバーにお湯が注がれる
カップの中に紅く染まった液体が満たされていく
M「…このコタツ、電気入ってないね」
A「うん。随分あったかくなって来たから。
あ、寒い?点けようか?」
M「ううん、いい」
A「そう?まあ、お茶飲めば体もあったまるから。
はい、どうぞ」
差し出されたカップからはハーブの香りが立ち昇ってて
1口飲むと、温かさと一緒に
まー兄の優しさが喉を通った
M「…美味しい」
A「そう?良かった!」
嬉しそうに
本当に嬉しそうに、まー兄が笑う
その笑顔1つで、また俺はこの人を好きになって
そして…苦しくなるんだ
知ってるんだよ
偶然聞いてしまったんだ
さと兄と翔兄がボソボソ話してる内容から
まー兄がニノに告白したって事
自分で思ってたよりずっと驚かなかった
想像してたよりずっと絶望したけど
そうか
いよいよ、この時が来たんだ
まー兄が本当に好きな人と結ばれて
俺が要らなくなる時が来たんだって…
さと兄達の話の断片を繋ぎ合わせると
まー兄は一旦フラれたらしいけど
そんなのは時間の問題に決まってる
どうせニノは直ぐに気づく
まー兄がどんなに素敵な人か
自分がどんなに素晴らしい人に愛されてるか
どんなに勿体無い事をしたのか
気づかない訳がないんだよ
そして…
まー兄の想いは叶うんだ…