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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

「ニノ~、久しぶりやん!」

局の廊下を歩いていたら後ろから声をかけられた。

「マミさん、久しぶり。」

声をかけてきたのは、大阪のタレントのマミさん。

大ベテランのタレントで、大阪のテレビ界のドンと呼ばれている。

マミさんは、大阪で関西ローカルのワイドショーとかバラエティーとかたくさんやっている大御所だ。

「ニノ、ちっとも大阪に来ぃひんやん! さみしいわぁ!」

そう言って俺に腕をからませてくる。

「ごめんネ、最近大阪で仕事がなくってサ。」

俺は顔では笑ってさりげなくからまされた腕をはずす。

「大阪のホテルの最上階にに美味しい鉄板焼レストランがあるねん。今度二人で行こう…。」

数年前に映画の宣伝でマミさんの番組に一度出たっきり、共演はしたことない。

それなのに、マミさんは馴れ馴れしくベタベタ触ってくる。

大年増のくせして気持ち悪い。

息子ほどの若い男に色目使って、恥ずかしくないのかね。

「それより、あんたんとこのリーダー、えらい噂やん。次々に女作って、お盛んやね…。」

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