テキストサイズ

アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

週末が過ぎて、5人での収録があった。

「おい、みんな見ろ。」

翔さんが入って来るなりタブレットを開いた。

大阪のワイドショーの動画を再生した。

『嵐の大野くんの噂、あれ絶対嘘やで~! だって、私ニノに直接聞いたもん、ガセやって!』

メインパーソナリティの大年増の女性タレントが自慢気に話している。

『あの日、ニノは大野くんとずっと一緒やったんやって! ニノが私にだけこっそり教えてくれてん!』

“私にだけ”を強調するメインパーソナリティはマミさん。

「ニノ、どういうこと?」

翔さんが俺に聞いた。

「……、さぁ?」

俺はソファに戻ってゲームの続きを始めた。

「ニノ、お前…。」

大野さんが隣に座った。

「たまたま局の廊下で会ったんデスよ。」

「でも、俺と“ずっと一緒”って…。あの日はニノとの仕事は昼で終わって…。」

「“午前中”ずっと一緒って言ったのにな、勘違いしたんじゃないデスか? あのオバサン。」

おっ、ステージクリア。

俺は嬉々としてゲームを続けた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ