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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

マミさんの関西ローカルのワイドショーのおかげで、大野さんのSNSの噂は急激なスピードで終息していった。

ネット社会の世の中、地域に関係なくネタを投下すれば後は勝手に皆が広めてくれる。

別に東京発信じゃなくてもかまわないんデスよね。

しかも大阪のテレビは東京より自由度が高い。

ネットとハサミは使いよう。

で、しやがれの大阪ロケ。

前泊して、早朝から橋という橋をカウントしながら渡りまくった。

だいたいさ、“八百八橋”って本当に808あるわけじゃなくて、“とても多い”って例えでしょ?

結局、大阪のすべての橋なんて渡りきれる訳もなく日没を迎えてロケ終了。

『大阪の橋は渡りきれないほど多い』なんて結末をテレビで流すことに。

くたくたになってホテルに戻るロケバスの中、マネージャーが俺に話しかけてきた。

「二宮さん、この後マミさんからお食事のお誘いが入っています。」


一番危ない橋が、まだ残ってた…。

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