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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

大阪屈指の高級ホテルの最上階。

鉄板焼レストランに俺はいた。

「乾杯~!」

ビールグラスを合わせて、食事はスタートした。

「ほんまにニノと食事できるなんて、思わへんかったわ~」

いや、俺もマミさんと本当に食事するなんて思ってなかったよ。

マミさんはすこぶる上機嫌で鉄板焼カウンターの前に俺と横並びで座ってる。

大阪のドンには、俺の大阪ロケのことなんて筒抜けで。

「ほらニノ、どんどん飲んで! どんどん食べてや!」

しっかり、レストランを予約して、てぐすねひいて待たれてた。

シェフが目の前で焼き上げてくれるのは最高級のコース料理。

どれも旨いんだけど、マミさんの隣では砂を噛むようで。

マネージャーも連れて来たんだけど、店に着くなりマミさんがマネージャーをひとにらみして追い返した。

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