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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

「ちょっとカマかけたら、あんたすぐに食いついてきたさかいな。身を挺して大野を守る…、美しい仲間愛やないか。で、面白そうやから、あんたの小芝居にのってみたという訳や。」

俺はへなへなと体の力が抜けた。

最初から全部マミさんの手のひら転がされてたんだ…。

「まぁ、あんたがどうしてもアバンチュールしたい言うんやったら、考えてあげてもええで。」

マミさんは、ニヤリと笑った。

「いや、結構です…。」

ガハハ…、とマミさんは豪快に声を上げて笑った。

「大野の件は今回は見送るわ。まぁこれからも困ったことあったら連絡し。相談に乗るで。」

俺はコクンとうなづいた。

「それと、これはほんまにあげる。」

ロレックスの箱を投げてよこした。

「いい情報あったら回してや。お互い、ウィンウィンで行こうやないか。」

「はい…。」

「それと二宮、夢は売っても身体は売ったらあかんで…。」

「は、はいっ!!」

俺は転がるようにスイートルームを後にした。

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