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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

「私は前から、スキャンダル続きの大野が東京で仕事ができひんようになったら、大阪に引っ張って来ようと思ってたんや。」

「大野さんを、大阪に?」

「そうや、あんたの事務所の先輩でもいるやろ? 事務所卒業して大阪で頑張ってる人が。」

「あ…。」

俺は一人の先輩を思い出した。

その先輩は今は大阪のテレビで活躍して、漫才師の奥さんをもらって幸せに暮らしている。

「ちょうどそう思っていた時、東京の局の廊下で偶然あんたに会ったんや。」

「じゃああの時から…? 鉄板焼誘ったのは…?」

「そうや、あんたとつながり持って、大野に口きいてもらおと思ったんや。」

マミさんは、グラスに再びシャンパンを注いで、グイッとあおった。

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