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アスタリスク【ARS.O】

第13章 ギター寺子屋【翔】

俺も次々と子供に呼ばれた。

英語も、俺が中学生の頃とは表現が変わっていたりした。

国語は現代文なら問題ないが、古文は苦労した。

アキさんがそっと教科書ガイドを手渡してくれた。

それを見ながら何とか教えた。

家庭科の栄養素なんかは歯が立たず、潤を連れてくるんだったと後悔した。

終了予定時刻に近づく頃には、もうすっかり俺は『翔先生』になっていた。

「アキ先生、ちょっと子供たち待たせといて。」

俺はアキさんに告げると駆け足で公民館を出た。

近所の牛丼屋でみんなの分の牛丼を買ってきた。

俺が戻るともう学習の時間は終わっていた。

「お前ら、牛丼買ってきたぞ!」

子供たちは歓声を上げた。

夕方のこの時間、子供たちは腹が減っているだろうと思ったんだ。

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