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アスタリスク【ARS.O】

第14章 一等星、三等星【アキ】

通販の倉庫のバイトを辞めてしばらくたった。

進学塾に就職したものの、授業を円滑に進めるのは難しかった。

先輩講師の授業にサポートで入って生徒の机の間を回って教えたり、私の授業を助けてもらったり、私一人ではなかなか完璧な授業は行えなかった。

中学生の進学塾は、高校受験に直結している。

私が新人講師だからという理由で、生徒の進路を保証しない訳にはいかなかった。

自分ではその学習内容を理解していても、生徒に説明するのは難しかった。

生徒自身が、学習内容のどこを理解できていないかを認識できていない場合もあって。

「何がわからないか」をわかることからのスタートだった。

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