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アスタリスク【ARS.O】

第14章 一等星、三等星【アキ】

ある日、授業が終わったあと塾長に呼ばれた。

「アキ先生、実は保護者からクレームが来ててね。」

ある保護者の母親が、私クレームを出したという。

『新人だかなんだか知らないけど、うちの子が授業を理解できないと言っている。うちの子が志望校に入れなかったら、どう責任をとってくれるのか。』

クレームをつけてきたのは一年生の母親で。

受験までまだまだ期間はあるというのに、切羽詰まった勢いで電話してきたらしい。

「僕はアキ先生の能力が足りないとは思わないけど、生徒の母親は気が済まないみたいでね。」

そう塾長は言った。

授業が終わったあと、塾長と一緒に生徒の母親に謝罪に行った。

「私の経験不足で指導が至らず大変申し訳ありませんでした。」

塾長と二人、深々と頭を下げた。

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